インフルエンザA型、B型、C型の違いについて

インフルエンザは一本鎖のRNAウイルスです。
ウイルス粒子内における核タンパク複合体の違いによってA型・B型・C型に分類されています。
A型とB型は、生体内での感染・増殖に必要な構造である赤血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)の糖タンパクを持っています。
そしてウイルスが生体内に感染すると、防御反応としてHAやNAに対する抗体が作られます。

RNAウイルスは変異をおこしやすく、毎年その抗原性が変化するために、一度かかった時にできあがった抗体では対応できず、感染・流行しやすいです。
またA型のHAには16種類・NAには9種類あり、その組み合わせによってウイルスの感染性が異なるため、体内で既に構成されている抗体では対応できず、同シーズンに2回感染してしまうこともあります。

C型インフルエンザは、A型やB型とウイルスの構造や性状が異なります。
またウィルスの形が変異することもないため、一度感染すると体内に抗体ができ、再び感染することはありません。
C型インフルエンザにかかるのは免疫力の弱い幼児未満の子供が多く、稀に2歳以下の子供で重症化し入院を要する例もあります。
しかしほとんどが軽症で、症状も鼻水や発熱(高温にはならない)、咳や喉の痛み等風邪の症状に似ており、軽症で済みます。
また感染力も弱くほとんど流行しません。

A型インフルエンザは人以外にも感染します。
新型インフルエンザや鳥インフルエンザもA型インフルエンザです。
代表される症状は悪寒の後に続く38.~40℃以上の高熱とそれに伴う関節・筋肉痛です。
またB型インフルエンザに比べると咳や喉の痛み等呼吸器官の症状が重症化することが多く、高齢者では肺炎を起こす可能性が高いです。
小児ではインフルエンザ脳症を合併することがあるので注意が必要です。

B型インフルエンザも変異があり流行します。
しかしA型とは違い2種類だけなので、一度かかると体内に抗体ができ、免疫がつく可能性が高いです。
B型インフルエンザではA型のような高熱が出ることは少なく、熱が出ないこともあります。
しかしA型インフルエンザと異なり、下痢や嘔吐等の消化器症状が現れるという特徴があります。

1番辛いインフルエンザのタイプはどれ?

インフルエンザA型・B型・C型の各症状について述べてきました。
その内容の通り、一番軽症で感染力が弱く、流行に至らないのはC型です。
では一番辛いインフルエンザはA型・B型のどちらでしょうか。

まず発熱という点で比較します。
A型は38℃以上の高熱で、40℃を超えることもあります。
それに対してB型は38℃を超えることはありますがA型ほど高熱にはなりません。
A型の発熱には、急上昇しますが1日~2日で解熱するという特徴があります。
対して、B型の発熱はなかなか下がらず、3日間以上37℃後半の熱がダラダラと続くことがあります。
40℃近くの高熱はつらい症状ですが、3日以上継続する発熱も精神的・身体的に衰弱させます。

A型インフルエンザの呼吸器症状は長引くことが多いです。
中でも咳はなかなか止まりづらく、職場や学校に復帰してもマスクが手放せません。
また肺炎や喘息を発症する例もあります。
対してB型の下痢や嘔吐といった消化器症状は療養に必要な栄養分や水分を補給する際の妨げになり、回復を遅らせてしまいます。

通常インフルエンザ後の職場や学校への出勤・出席の停止は、発症後5日間または解熱後2日間です。
しかしB型のだらだらと続く熱は発症後5日経ってようやく解熱することもあり、職場によってはそんなに長く休めないため、体力が回復しないまま職場復帰する可能性が高いです。
A型のだらだら続く咳も大変な症状ですが、食事や睡眠がきちんと摂れる程度であれば、仕事や勉強をするのに支障はなく、通常通りに生活できるでしょう。

どの点を一番辛いと感じるかは人それぞれの感覚ですが、重症化しなければA型はすっきりと症状が改善される可能性が高く、B型はすっきりと改善するまでにA型よりも長い期間を要する可能性が高いです。

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