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冬が本格的に始まると、毎年の恒例行事のようにインフルエンザが流行し始めます。
非常に強い感染力と辛い症状によって警戒すべき感染症のトップクラスに数えられていますが、ひと口にインフルエンザと言っても詳しく見ると数種類に分けられています。

その中でも近年ではインフルエンザB型の患者が増加傾向にあるのですが、インフルエンザは型によって症状や流行する期間などが微妙に異なるため、対策を行うにはB型についての情報を正しく理解しておくことが大切です。
特徴を知っておけば症状などにもすぐに気付くことができるため、早期発見早期治療にも役立てることができます。
軽い症状で済ませるためには必要不可欠なことなので、知識として覚えておくようにしましょう。

インフルエンザB型とA型の症状の違い

インフルエンザB型が他の型と異なっているのは、主に流行時期と症状です。
例年他の型が流行した後からゆっくりと活動し始めるため、他の型の流行が落ち着いたからと言って油断することはできません。
ただ、これはあくまでも現在の状況であり、厄介なことにB型は年々流行の時期が早まってきています。
このペースで進めば、そう遠くない将来に他の型と同じ時期に流行し始め、ますます見分けが付きにくくなると危惧されています。

症状については、他の型の場合は分かりやすい特徴があるため判別しやすいです。
最低でも38度、高ければ40度ほどの高熱が出ることに加え、非常に強い悪寒や寒気、全身至る部分の関節痛や筋肉痛などの痛みを感じることが多いです。
こういった症状のほとんど全てが同時かつ急激に現れた場合、インフルエンザの他の型に感染している可能性が高くなります。
鼻水や頭痛など、どこかの部位だけが限定的に発症するのではなく、全身症状が最初に起きるのが最大の特徴です。

これに対して、インフルエンザB型は上記のように激しい症状が起きることはほとんどありません。
発熱もしますが40度という高熱になることはなく、37度台の微熱や平熱とほぼ変わらない程度で済んでしまうことも多いです。
インフルエンザと言えば高熱が出るというイメージが強いのですが、B型に限っては平熱のままということもあるため、他の一般的な風邪と誤解してしまうこともあります。

インフルエンザB型の症状の特徴は、他の型のような全身症状ではなく、吐き気や下痢、胃炎などの消化器症状が非常に強く出ることです。
実際に嘔吐を繰り返してしまう人も珍しくなく、時期が時期だけに他の食中毒や感染症と間違われることも多いです。
熱が高くないのに胃腸の調子がおかしいという場合は、インフルエンザB型を疑う必要があります。

また、高熱が出ない代わりに消化器官だけでなく気管支にも重い炎症が出ることが多いです。
咳がいつまでも止まらなかったり、痰が酷く絡むなどの不快な症状が続いてしまいます。
炎症の影響で、空咳が出るというより痰が出るような重い咳になることが多く、この点も他の型とは異なります。
咳も痰も他のインフルエンザでも見られる症状ですが、B型では熱が低いわりにどちらも重い症状になりがちです。

さらに、他の型と比べて症状がなかなか治らず長引きやすいというのも特徴です。
他の型の場合、高熱が出ることによって体内の異物を撃退する力が活性化し、それだけ治るのも早く時間がかかりません。
その代わり非常に辛い症状が出てしまうのですが、短期的な症状で済ませることができます。
B型の場合は熱がほとんど出ないため体内で異物を弱らせることができず、ダラダラといつまでも症状が治まらなくなってしまいます。

十分に治癒しなくても体を動かすことが可能なため、まさかインフルエンザとは考えず仕事や学校に出かけてしまう人も少なくありません。
強い症状が出ていなくても感染によって身体がダメージを受けていることは間違いないので、無理をして仕事や学校へ行けばますます状態を悪化させてしまいます。
しかもインフルエンザという自覚がないため、他の人への感染対策もおろそかになりがちです。
感染を広げてしまう可能性も高いので、体調がおかしい場合は無理をして出かけず、まずは病院で検査を受け、インフルエンザの薬で治療しましょう。

また、B型は他の型と比べても遺伝子配合の種類が2種類と非常に少なくなっています。
他の型は100種類以上もあることに加えて鳥などにも感染するため変異しやすく、強力な新感染症となって世界的に大流行するケースがあります。
B型は感染が人のみですし、種類も少ないのでそこまで深刻な症状を引き起こす心配はありません。
それでも他の感染症と比べると感染力も強いので、決して楽観視しないようにしましょう。
流行時期にこのような症状に気付いたら病院でインフルエンザの検査を受け、必要な治療を受けて自宅で安静にしましょう。

インフルエンザB型と風邪の見分け方

インフルエンザB型と風邪の症状は似ていますインフルエンザB型は、他の型よりも症状が比較的緩やかで分かりにくいものです。
もちろん下痢や胃炎など辛い症状は感じるのですが、明らかにインフルエンザだとわかるような高熱や体の痛みは出ないこともあります。
これらはインフルエンザの代表的な症状とも言え、B型の場合は症状を感じないために発症に気付かないことも多いので注意が必要です。
普通の胃腸風邪と誤解してしまう人も多く、知らないうちに感染を広げてしまう危険もあります。

他のインフルエンザ型の場合は1日から2日程度で高熱が下がるのですが、B型の場合は2日から3日以上微熱が続くということも珍しくありません。
インフルエンザはパッと高熱が出て数日で治まるというイメージが強いため、熱が長引くとそれだけで普通の風邪と誤解してしまう人もいます。
実際にはB型であれば何日も微熱が続く可能性が高いため、熱の高さや日数だけで判断するのは危険です。

風邪との見分け方としては、まず胃炎や下痢など消化器症状がポイントになります。
B型の特徴として胃腸にダメージが現れるということが多く、胃炎や腸炎などを引き起こしやすくなります。
そのせいで下痢や吐き気などが起きるのですが、胃腸風邪の場合もこのような症状は見られるため消化器症状だけでインフルエンザだとは判断できません。

胃炎などの症状と同時に微熱が続いていたり、頭痛や鼻水、症状のぶり返しなどの特徴が見られた場合に、風邪ではなくインフルエンザB型である可能性が高くなります。
頭痛は、インフルエンザの症状を抑えるために身体が分泌するプロスタグランジンという物質が刺激を与えることで引き起こされます。
これは普通の頭痛薬では治まらないことが多いですし、解熱剤を自己判断で使用するとインフルエンザ脳症のリスクが高まるため非常に危険です。

流行の時期だったり周囲にインフルエンザに感染している人がいる場合、怪しい症状が出たら安易に市販薬を使わず病院へ行くようにしましょう。
また、インフルエンザB型のせいで咳や痰が出ている場合も市販薬では効果がないケースが多いため、咳止めを使っても全く良くならない場合は早めに病院へ行ってください。

鼻水などの鼻症状も、インフルエンザB型ならではの特徴があります。
普通の風邪の場合、初期症状として発熱と同時に鼻症状が現れることが多いですが、インフルエンザでは発熱や倦怠感といった症状が治まった後に鼻症状が出ます。
副鼻腔炎など重い症状も出やすいので、症状のタイミングと重さに注意するようにしてください。

また、発症したのが乳幼児の場合はぶり返しにも注意が必要です。
B型はインフルエンザの中でも発熱が軽く長引きやすい傾向にあるため、一度熱が引いても時間をおいてぶり返してしまうことが多いです。
15歳以下の子どもだと何度もぶり返すこともありますし、大人でもこのような症状が見られることがあります。
何度も発熱と解熱を繰り返す場合は普通の風邪ではない可能性が高いので、必ず病院へ行くようにしましょう。

B型は嘔吐や下痢が長引いてしまうため、インフルエンザにかかっていることに気付かず自分で治そうとすると、体内の水分がどんどん失われて脱水症状を起こしてしまう危険もあります。
嘔吐や下痢は想像以上に多くの水分を排出してしまうため、普通の風邪よりも早いペースで脱水が進んでしまいます。
特に嘔吐などが酷い場合には、普通の風邪以上に水分補給を心がけることが大切です。

B型と普通の風邪は症状が良く似ているため見分けが難しいですが、上記のように微妙に異なるポイントもあります。
頭痛や咳や痰などが長引くのに市販薬を飲んでも効かない、発熱後に鼻水や鼻づまりが酷くなった、一度下がったのに何度も熱がぶり返すという特徴が見られる場合は要注意です。
これらはB型に感染している場合に現れる特徴なので、当てはまる場合はすぐに病院へ行くことをお勧めします。

インフルエンザB型が流行する時期に傾向はある?

毎年冬になると例外なく大流行している感染症ですが、その中でも特に流行しやすい時期というものがあります。
インフルエンザB型の場合は、他の型の流行が一段落した後の2月から3月にかけてが流行時期です。
しかも他の型とは異なり、毎年必ず流行するというものでもありません。

これまでB型は、約2年に1度というペースで流行を繰り返してきました。
これも危機感をあまり持たれない原因だったのですが、近年は毎年流行することが増えてきているので注意が必要です。
他の型の方が症状も重く早い時期に流行するため怖いイメージがありましたが、実際にはB型の感染者もインフルエンザ患者全体の約4割を占めており、楽観視していると危険です。

流行する時期が2月から3月ということは、その時期だけ注意しておけば良いように感じられますが、もちろん流行しなくてもそれ以前から感染者自体は出ています。
このため1月だから大丈夫と油断するのではなく、他の型が流行し始めた段階から注意を払い、併せて予防対策を行っておくことが重要です。

B型は他の型よりも遺伝子配合種類が少ないため突然変異する可能性は非常に低く、一度感染して免疫ができればそれ以上は繰り返し感染しません。
流行期間中であっても、一度回復した後ならそこまで過剰に心配する必要はないでしょう。
ただ、免疫は一定期間しか効力を持たないため、来年まで免疫が続くということはありません。
定期的に変異する可能性もありますし、今年B型にかかったから来年も大丈夫と安心しないようにしましょう。

また、B型には2種類の遺伝子配合が存在するため、流行期間中にその両方に感染してしまう可能性もあります。
免疫は1つの種類ごとにできるため、片方の種類に感染してももう片方の免疫は作られません。
このため、1度かかったとしてももう1度罹患する可能性があると覚えておき、流行時期には常に警戒を怠らないようにしましょう。

B型の場合、感染後1日から3日ほどの潜伏期間を経て発症します。
約1週間程度で症状が回復するのですが、辛い嘔吐や下痢は発症後2日から3日目あたりがピークになります。
ピークと言っても平熱のままや微熱程度で済むことも多いので発見が遅れがちですが、発症した場合は感染を広げないためにもできるだけ早く治すことが重要です。

病院で処方された薬は状態が落ち着くと飲むのを止めてしまう人も多いですが、出された量はすべて飲み切ってください。
平熱に戻ったとしても体内にはしばらくインフルエンザウイルスが残っているため、そこで薬を止めてしまうと弱っていたインフルエンザウイルスが再び活性化し、より治りにくい強い状態でぶり返してしまう可能性があります。
体内に残ったまま外出すれば至る場所で感染を広げてしまうため、流行に一役買ってしまうことになります。

また、B型は脱水症状を引き起こしやすいため、例え喉が渇いていなくてもこまめに水分を補給することが大切です。
喉の渇きを感じた時には既に脱水状態にある可能性も高く、治癒の邪魔をしてしまいます。
できれば水ではなく、経口補水液など脱水の改善に役立つ効果を持つ水分を摂り、体力を維持して回復を目指しましょう。

このように早く回復するために努力していれば、流行する時期に余計な感染を広げないで済みます。
流行を早く終わらせるためには一人一人の心掛けが非常に重要なので、自分の都合だけで安易に外出したり薬を止めたりしないようにしましょう。

そもそも感染しないことが重要なので、インフルエンザがB型が流行する時期には予防対策を積極的に行うことも大切です。
人の多いところではマスクを常に着用したり、トイレや帰宅時、食事前などには必ず手を洗う、特徴的な症状に気付いたら早めに病院へ行くことなどを心がけておいてください。
B型は平熱と変わらないなど発症に気付かないことも多いので、特に予防が重要となります。

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